長友のインテルが首位決戦。ダメダメだった名門に名将が魔法をかけた (3ページ目)

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 また、ネガティブな状態のチームをどう率いたらいいかを熟知している。今季のインテルはまだ幸運にも不調とは無縁だが、どんなチームにもいつか必ずそういうときが訪れる。そんなときこそスパレッティの強さは発揮されるはずである。

 スパレッティ・インテルは今後どこまで上昇することができるのか。それはまだ予想し難い。2カ月間の好調ぶりを見ればスクデットも期待したくなるが、ユベントス、そしてナポリが、インテルよりもはるかに武装できたチームであることは明らかだ。論理的に考えるなら、CL出場圏内である4位以内入りを狙う、というのが妥当な線だろう。それ以上を目指すには、まずCLに出場して資金を潤沢にし、世界レベルの選手を手に入れることが必須であるというのが大方の見方だ。

 ただ、サポーターはもちろんそれ以上の結果を夢見ているし、それだけの夢を持つにふさわしい応援をしている。この日曜もサンシーロはサポーターで埋め尽くされていた。ダービーという特別な試合であったからでもあるが、それだけではない。

 今季これまでミラノで行なわれたダービーよりマイナーな試合(フィオレンティーナ戦、スパル戦、ジェノア戦)でも、観客数が5万を割ることはなかった。これは昨今のイタリアでは珍しいことである。「今年こそは!」というインテリスタの熱い気持ちが表れている。

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