長友のインテルが首位決戦。
ダメダメだった名門に名将が魔法をかけた

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 その日、サンシーロスタジアムを後にする長友佑都は笑顔だった。日曜の夜(10月15日)に行なわれたミラノダービーは、マウロ・イカルディのハットトリックもあって、インテルが3-2で勝利した。これでインテルは単独2位。首位のナポリにも2ポイント差と迫る。ここ数年のシーズンと比べものにならないほどの好調な滑り出しだ。

ミラン戦でハットトリックを決めたマウロ・イカルディと長友佑都 photo by Insidefoto/ AFLOミラン戦でハットトリックを決めたマウロ・イカルディと長友佑都 photo by Insidefoto/ AFLO インテル復活の最大のキーワード、それは"スパレッティ"だ。

 ルチアーノ・スパレッティ監督はインテルに就任したその日から、チームを以前の"本物の"ビッグクラブに返り咲かせることに全身全霊を注いできた。そのために彼がまず目指したのは、メンタリティのリセットだった。

 ここ数年、負け続けてきたことによる"負のメンタリティ"をリセットし、自信を取り戻させ、ロッカールームに楽観的な空気をもたらす。それが第一ステップだ。選手ひとりひとりの気持ちを切り替えさせることが復活の基礎であると彼は見抜いたのである。サマーキャンプの間には、選手たちと話し合いをする監督の姿が頻繁に見られた。

 土台を整えたところで次に着手したのがシステムだ。スパレッティはインテルの選手たちのテクニックに見合った4-2-3-1を採ることにした。

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