長友のインテルが首位決戦。ダメダメだった名門に名将が魔法をかけた (2ページ目)

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 今のインテルに真のトレクアルティスタ(トップ下)は存在しない。強いていえばマルセロ・ブラゾヴィッチがそれに近いが、現在はふくらはぎの筋肉を痛めて欠場している。テクニックだけでいえばジョアン・マリオやボルハ・バレロもトップ下でプレーすることができるだろうが、ボルハには、DFラインの前で秩序を保つ、というより重要な役割がある。

 もうひとつ、シーズン当初はマイナスと思われていたが、実際にはプラス要素だったのが、チームの選手数の少なさだ。今シーズンのインテルにはチャンピオンズリーグ(CL)もヨーロッパリーグもない。出場機会の少ない選手のメンタル面でのケアは非常に難しく、もし大所帯であったなら悩みの種となっていただろう。

 その点23人という人数は今のインテルにはちょうどいい。ローテーションはうまく回っていて、不満を持つ選手も少ない。ジーニョ・ファンフースデンがケガをしているので、センターバックがあとひとり、ほしいところではあるが......。

 スパレッティは百戦錬磨の監督で、強力なパーソナリティを持っている。重いプレッシャーにも耐えることができるプロフェッショナルだ。それはローマ監督時代、彼がフランチェスコ・トッティにとった一貫した態度からもうかがえる。

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