ほぼ同成績でプレミアを並走。今季はマンチェスター2強の一騎打ちか (3ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 一方のユナイテッドは明らかに"剛"だ。ロメル・ルカク、ネマニャ・マティッチ、マルアン・フェライニといった強くて大きな選手をセンターラインに据え、相手をねじ伏せるようにして勝利を重ねている。2列目のフアン・マタ、ヘンリク・ムヒタリアン、マーカス・ラッシュフォードら技巧派が攻撃のアクセントになっているとはいえ、モウリーニョは彼らのスキルを有効な場面に限って使うことしか考えていないだろう。

 吉田麻也もフル出場した6節のサウサンプトン戦では、前半に先制すると、後半にはその3人をベンチに戻して守備的な選手を投入。1点を守りきることを狙った赤い悪魔は、自陣ボックス内に複数の大きな選手を並べて、ひたすらボールを跳ね返し続けた。

 それは言葉にすると簡単だが、トップレベルで実践するのは容易なことではないはずだ。運動能力に優れた大柄な選手たちに、片時も集中力を切らさずにゴールを守る術(すべ)を伝授した、54歳のポルトガル人指揮官の手腕と言えるだろう。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る