メッシには従うが、カバーニは認めん。
パリの新王様・ネイマールの野望

  • 沢田啓明●文 text by Sawada Hiroaki photo by Sano Miki

 9月17日に行なわれたリーグアン第6節リヨン戦で、パリ・サンジェルマン(PSG)のネイマールとエディソン・カバーニが、どちらがPKを蹴るかを巡って言い争いになったことは、たちまちニュースとして世界中に知れ渡った。

 伏線があった。問題のPKのシーンの25分前、ネイマールが相手ゴール前で倒されて絶好の位置でFKを得た際、カバーニがボールを手にして蹴ろうとすると、ネイマールの親友である右SBダニエウ・アウベスが強引にボールを奪い取り、ネイマールに渡して蹴らせたのである。ネイマールは素晴らしいキックを放ったが、GKの好守に阻まれた。カバーニはFKを"横取り"されたこともあり、PKは頑として譲らなかったのだろう。

 バルセロナ時代とうって変わり、PSGで王様のように振るまうネイマール バルセロナ時代とうって変わり、PSGで王様のように振るまうネイマール 試合後、「ロッカールームでネイマールとカバーニが言い争い、つかみ合いの喧嘩になりそうなところをCBチアゴ・シウバが仲裁に入った」「ネイマールがカバーニの売却をクラブ会長に願い出た」といった報道も出て、この件はさらに大きな話題となった。しかし、21日には「この騒動に関し、ネイマールがチームメイトに謝罪した」という情報が流れ、26日にウナイ・エメリ監督が「PKのキッカーは私が決めた」と語ったことで、事態は沈静化した。

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