カタルーニャが独立しても、バルサはリーガの一員であり続けるだろう

【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】カタルーニャ独立とバルサ(後編)

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 FCバルセロナの持つナショナリスティックな側面は、レアル・マドリードとの試合を、世界のフットボール界で最も人気のあるライバル対決と位置づける要因にもなった。フランコ将軍の独裁下、多くのバルサファンはレアル・マドリードを中央政府の代表のようにみなしていた。過激な一部のファンは、今もその気持ちを持ち続けている。

 多くのカタルーニャ人が日曜日ごとに、バルサの本拠地カンプノウでナショナリズムを発散させる。それはまさに、彼らが「国」という枠組みを通してできないことだからだ。

 とはいえ、大半のカタルーニャ人が自分たちの「国」を欲しがっているというわけではない。これまでカタルーニャで行なわれた世論調査で、独立支持が過半数を占めたことはほとんどなかった。どうやらFCバルセロナをサポートするだけで、ナショナリズムを十分に発散できている人たちもいるようだ。

バルセロナ対ラス・パルマス戦が行なわれたカンプノウのモニターには「民主主義」の文字が(photo by Getty Images)バルセロナ対ラス・パルマス戦が行なわれたカンプノウのモニターには「民主主義」の文字が(photo by Getty Images) しかし最近になって、バルサは国内的にも国外向けにも、独立を問う住民投票に注目を集める役割を果たすようになっていった。住民投票が近づくにつれ、カンプノウのファンは「投票しよう!」というチャントを叫び、独立を支持する歌を歌ったり、横断幕を掲げたりした。

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