柴崎岳、光と影のバルサ戦。衝撃のファインゴールから謎の負傷交代

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 リーガエスパニョーラ第4節、ヘタフェの本拠地コリセウム・アルフォンソ・ペレスで行なわれたヘタフェ対バルセロナの一戦は、柴崎岳にとって光と影に包まれたような試合となった。

 光はもちろん、39分に見せたプリメーラ(1部)での初得点。しかも3試合無失点で首位に立つバルセロナから先制点を奪うファインゴールだ。

バルセロナ戦で先制ゴールを決め、喜びの表情を見せる柴崎岳バルセロナ戦で先制ゴールを決め、喜びの表情を見せる柴崎岳 ヘタフェのセットプレーはいったんバルセロナのDFに跳ね返されたが、セカンドボールを拾い攻撃を再構築。ダミアン・スアレスがクロスを入れ、マルケル・ベルガラが頭で落とす。ボールの先にいた柴崎がダイレクトで左足を振り抜くと、まるでレーザービームのようなスピードと正確性でゴールネットを揺らした。

 テネリフェでプレーしていた昨シーズン、地元記者に「ガクはゴールを決めても全く喜んだパフォーマンスを見せることはないが、それは日本にいたときからか?」と聞かれたことがあったが、柴崎にとってもバルセロナから決めたプリメーラ初ゴールは格別だったのだろう。飛行機の翼のように両手を広げると、祝福に来るチームメートをかわしてベンチへ向かった。そこには柴崎を中心とした喜びが満ち溢れ、ネットが揺れた瞬間から満員のスタンドは怒号に近い歓喜の雄叫びをあげていた。

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