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イングランド時代、到来か。
U-20W杯に見る世界と日本の勢力図 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 選手一人ひとりは、フィジカルでもテクニックでも高い能力を兼ね備えている。

 大会MVPに選ばれたFWドミニク・ソランケをはじめ、左サイドのアタッカーであるFWアデモラ・ルックマン、キャプテンでボランチのMFルイス・クックなど、名前を挙げ始めたらキリがないほどタレントぞろいで、しかもベストメンバーを固定する必要がないほど選手層は厚かった。

 それでいて、個人能力頼みになることなく、チームとしてしっかりとボールを動かしながら、相手の守備を崩していくことができるのだ。

 振り返ってみると、グループリーグ初戦のアルゼンチン戦を終え、シンプソン監督が口にしていた言葉が興味深い。

「このチームはフィジカルが強く、ハードワークができる。だが、同じようにテクニックを持っていることも見せたいし、組織的にプレーできるところも見せたい。今日の試合ではそれらは十分ではなかったが、アルゼンチンに対して規律を見せることができた」

 実はこの大会初戦、今にして思えば、イングランドの出来はそれほどよくなかった。アルゼンチンに押し込まれ、多くの時間を劣勢のなかで過ごした。効率よくゴールを重ね、3-0で勝利したものの、得点の仕方は従来のイングランドのイメージと大きく変わらないものだった。

 しかし、指揮官は試合後、自分たちの武器はこれだけではないと言い切った。事実、その後の試合で、それが単なる強がりではなかったことを証明してみせた。

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