イングランド時代、到来か。U-20W杯に見る世界と日本の勢力図
サッカーにおける世界の勢力図が、また変わるきっかけになるかもしれない。
そんなことを思わずにはいられないほど、イングランドが見せたサッカーは美しく、そして強かった。
韓国で開かれていたU-20W杯は6月11日、水原ワールドカップスタジアムで決勝が行なわれ、ベネズエラを1-0で下したイングランドが初の栄冠を手にした。カテゴリーを問わず、イングランドが世界チャンピオンになるのは、1966年W杯イングランド大会以来、実に51年ぶりのことだ。
U-20W杯を制したイングランド U-20イングランド代表のポール・シンプソン監督は、輝く優勝メダルを胸に、誇らしげに語る。
「勝因はシンプル。強いチームだったからだ。いい選手がいいプランに沿って行動し、コーチ陣はもちろん、メディカルなども含めていいスタッフがそれを支え、すべてがまとまってチームとして戦った結果だ」
従来のイングランドというと、無骨なサッカーのイメージが強かった。テクニックよりフィジカル。細かくパスをつなぐよりも、ダイレクトにゴールへ向かう。そんなサッカーである。
現在でこそ、世界中からスター選手が集まるプレミアリーグの影響もあり、そうした印象も薄れてきてはいる。それでも、やはり他のヨーロッパ諸国、特にスペイン、フランス、ドイツあたりと比べれば、繊細さに欠ける大味なサッカーの印象は否めない。
ところが、今回20歳以下のW杯を制したチームは、そんな旧態依然としたイメージとは一線を画す。イングランドのサッカーは明らかに変わっていた。
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