攻撃陣の厚さ。レアルがユーベに大勝でCL2連覇を果たした要因 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsi Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 ユーベの看板FWイグアインは、R・マドリードをお払い箱になった選手だ。マンジュキッチはバイエルン、アトレティコ・マドリードを渡り歩いた31歳のベテラン。この2人がフル稼働せざるを得ない台所事情に、ユーベの弱みは集約されていた。

 90分、R・マドリードに4点目のゴールをもたらしたマルコ・アセンシオは、オランダ人の母親を持つスペイン期待のウイング。この日はベンチ外だったが、ルーカス・バスケスも右ウイングで確実な縦突破の技量を持つスペイン人選手だ。

 R・マドリードといえば、C・ロナウド、カリム・ベンゼマ、ベイルの3人が、バルサの3人(メッシ、ネイマール、ルイス・スアレス)同様、看板選手として真っ先に紹介されるが、層の厚さという点ではバルサより上。文字通り世界一だ。チャンピオンズカップ時代88~89、89~90のミラン以来27年ぶり、CLとなってからは初の2連覇を達成した、これこそが最大の原因と言える。

 97~98のCLでユーベを倒し欧州一に輝いたR・マドリードは、その時、挑戦者の立場にいた。相手のユーベは3年連続の決勝進出で、ジダンを筆頭にアレッサンドロ・デル・ピエロ、ディディエ・デシャン、フィリッポ・インザーギ、エドガー・ダービッツなど。世に知られた選手が多数いた。前評判で勝るのもユーベだった。だが、5バックになりやすい守備的サッカーだった。

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