攻撃陣の厚さ。レアルがユーベに大勝でCL2連覇を果たした要因 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsi Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 イスコを起用すれば、マルセロは生きない。これは予想されたことでもあるが、ジダン監督はそれでもなおイスコを起用し、2トップ下に置いた。しかし、そのイスコもピッチ上をさまようことになる。どのようにプレーすれば、活躍の糸口を見いだせるか。ゴールに直結したプレーができるか、解答を見出せずにいた。

 前半20分、レアルはクリスティアーノ・ロナウドが先制。その7分後、ユーベはマリオ・マンジュキッチの鮮やかな胸トラップ&ボレーで同点。試合は火がついたような撃ち合いになった。両者互角。この状態は後半に入っても続いた。ジダンの選択はうまくいかずにいた。

 決勝ゴールが生まれたのは後半16分。カゼミーロのシュートがサミ・ケディラの足に当たり、コースが変わってゴールに飛び込むというユーベにとって不運なゴールだった。

 しかし、危なそうなムードはその少し前から漂っていた。ユーベが反発力を鈍らせていたからだ。例えばゴンサロ・イグアインは、前線でボールを保持できず、弱々しい姿をさらけ出していた。前半活躍したマリオ・マンジュキッチも、もはやいっぱいいっぱい。期待のアルゼンチン人FWパウロ・ディバラも、消えることが多くなっていた。

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