4年ぶりの先発で見せた、34歳FWデフォーの「イングランド代表愛」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 しかし、デフォーだけはあきらめなかった。スパイクにイングランド国旗の刺繍を今でも入れていることをサンダーランドのチームメイトに茶化されながらも、「『いつの日か代表に復帰できれば』とずっと願っていた。だから集中して練習に取り組み、ハードワークをやめなかった」と明かす。

 こうして迎えた今シーズン、デフォーは破竹の勢いでゴールを重ねた。プレミアリーグで最下位に沈むサンダーランドに所属しながら、第28節時点で14ゴールをマーク。マンチェスター・ユナイテッドのFWズラタン・イブラヒモビッチ(15得点)と1点差、得点ランキングでも5位タイにつける。

 さらに、プレミア得点ランク2位のFWハリー・ケイン(19得点/トッテナム・ホットスパー)がケガで外れ、限界説もささやかれるFWウェイン・ルーニー(マンチェスター・U)が落選したこともあり、デフォーは見事に代表復帰を果たしたのだ。そして、4年ぶりに先発したイングランド代表戦で得点をマーク――。先述の「気持ちを言葉で表すのは難しい」とのコメントにつながるわけだ。

 とにかくデフォーは、国際主要大会とあまり縁がない。2006年のドイツW杯でも、当時17歳のFWテオ・ウォルコット(アーセナル)の代表入りに押し出される形で「メンバー外」となり、バックアップメンバーに甘んじた。56キャップを記録しながら、主要な国際舞台に立ったのは「2010年の南アフリカW杯」と「2012年の欧州選手権」の2大会のみで、近年のイングランド代表で過小評価されてきた選手のように思えてならない。

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