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「何もしてない」香川真司の居場所は
どこ? ドルトムント逆転で8強 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 とはいえ、前線のデンベレとの交代で入ったものの、香川がゴール前に顔を出せるシーンはない。85分のオーバメヤンの4点目にも絡むことはできなかった。チームにとっては逆転劇の快勝だったが、香川にとっては不本意な試合だったのだろう。試合後の香川は、苦笑とも取れる笑みを浮かべながら、「今日はしゃべらない」「何もしてないから」と足早に報道陣の前を通り過ぎた。

 マルコ・ロイスが負傷して離脱中ではあるが、なかなか香川にはチャンスが回ってこない。3-4-3の中盤で、前線とのつなぎ役をするのか。それとも3トップに入りシャドーストライカーのような役を果たすのか。いずれにしても、現在のドルトムントの高速カウンターサッカーでは、香川のポジションは見つけづらい。

 この試合を見る限り、対戦相手であるベンフィカのサッカーのほうが香川には合っているのかもしれない。4-2-3-1でいわゆるトップ下のポジションを置き、ポゼッションサッカーを志向する。ポルトガル国内では優勝争いを繰り広げ、CLの常連でもある。このチームなら、常にトップレベルの戦いに身を置くことができる......そんな想像をしてしまう一戦だった。

 ドルトムントはこれで8強に進出、ドイツ杯もまだ試合を残しており、ハードな日程が続く。この日程が厳しい期間のうちに、香川は先発返り咲きを図りたいところだ。

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