バッカの夕食会を楽しむ本田圭佑。
最後にミラニスタにいい思い出を (2ページ目)
こういった難しい状況の中でも勝利を取り戻したのは、やはりヴィンチェンツォ・モンテッラの手腕に負うところが大きいだろう。モンテッラはチーム上層部のゴタゴタや、サポーターの苛立ちから、できるだけ選手たちを遠ざけようとしている。おかげでチームはよくまとまり、集中力も高まってきている。
リーグ戦の上位に食い込むには、すべてのポジションが力不足であるのは明らかだが、それでも自分たちよりも力のあるチームに勝利してもいる。闘志と無私無欲と集中力がこのミランのトレードマークで、すべての選手が同じ方向を向いてプレーできるようになった。シーズン後半に入って、これまであまり使われていなかった選手たちが少しずつピッチに投入されるようになってきたことも、チームの結束を高めているのかもしれない。
ただその中で、ひとりまだプレーできないのが本田圭佑だ。
先週、突如巻き起こったシアトルへの移籍の噂によって、その不条理さはイタリアでもまたクローズアップされた。ミランの中でもかなり豊富な経験を持ち、背番号10を背負っていながら、本田はいまだほとんどプレーすることができないのだ。その最大の原因は、このコラムでも何度もくり返してきたが、スソの予想以上のブレイクだ。スソはモンテッラ・ミランには、一時も欠かすことのできない大事な存在になってしまった。
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