柴崎岳も出られればチャンスなのに...。
最新スペイン2部リーグ事情 (4ページ目)
スペインでは、2015年にようやく2部に対し、選手の最低年収15万5000ユーロ(約1867万円)を支払うように定められたが、それでも1部との待遇の格差は大きい。スペイン全土を移動してホーム&アウェーでリーグ戦を戦うことに違いはないのに、一方は飛行機のビジネスクラス、もう一方はバスでの移動となる。
さらに、選手の顔ぶれも1部とは異なる。特に目立つのはアフリカ系の選手だ。月収1万1000ユーロ(約133万円)は、ヨーロッパ各国の代表選手を招集するには少額だが、アフリカ各国の代表選手にとっては十分に魅力的であり、今年のアフリカ・ネイションズカップに参戦した選手の、実に23人がスペイン2部リーグに所属している。とはいえ、チームの中心となるのは、小さい頃からスペインリーグを見て、地元で育ってきた選手たちだ。どの国の2部にも共通していることではあるが、他の国から来た選手が、そのコアな輪の中に入っていくのは容易なことではない。
2部リーグのクラブは、1部のようにすべてがお膳立てされているわけではない。しかし、1部のクラブにとって最も身近で確実な選手獲得市場であるため、常にスカウトの目が光っている。そして、それはスペイン国内だけではなく、欧州全体にまで及んでいるのだ。
そのことを知っているだけに、選手間の争いも熾烈だ。依然として体調面、メンタル面どの不安が伝えられる柴崎も、それを乗り越えてスペイン2部リーグで活躍できれば、欧州トップリーグから声がかかるチャンスも広がるのだが......。
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