幻となった「日本人ダービー」。乾貴士が語った出場機会減少の理由

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Getty Images

 ラモン・サンチェス・ピスファンで行なわれたリーガエスパニョーラ第23節セビージャ対エイバル。日本のサッカーファンにとっては"幻の日本人ダービー"との思いもある対戦は、ステファン・ヨベティッチの2アシストの活躍で、ホームのセビージャが2対0と順当に勝利を飾った。

 約1カ月ぶりに訪れたセビージャのホームスタジアム。リフォームが終わったばかりの外観はチームカラーの白色がまぶしい輝きをみせていたが、スタジアムを包むサッカーに対する熱気は全く変わっていかなかった。ただ、その熱気を生み出すセビージャのメンバーのひとりであった清武弘嗣が、この冬の移籍市場でチームを去ったこと以外は。

今年に入り出場機会が減っているエイバルの乾貴士今年に入り出場機会が減っているエイバルの乾貴士 わずか数週間前のことだ。日本人MFの去就に注目が集まり、清武を出すべきか、残すべきか、メディアやサポーターの間で多くの議論がされていた。結論として清武はチームを去ることを決めたが、その決定を惜しむセビージャの人々もたくさんいた。

 成功か失敗かと言われれば、清武のセビージャでの戦いは残念ながら失敗と言わざるを得ない。それでも背番号14番は、日本人が思い描くスペインのイメージを体現する太陽と情熱が似合う、アンダルシア州の州都の人々に大きなインパクトを残している。特に開幕戦となったエスパニョール戦で見せたパフォーマンスは、多くのセビジスタの心を掴んでいた。

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