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刺客ナポリを返り討ち。
レアルが見せつけた圧倒的な実力差 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 奪ったボールを速く縦に入れ、一気に攻め切ろうとするナポリ。それに対してレアルもまた、ピッチを横に広く使ってボールを動かしながらも、必要以上に手数をかけず、どんどんとペナルティエリアの中に勝負のパスを入れていった。

 そして生まれた同点ゴール。前半18分、DFダニ・カルバハルのクロスをFWカリム・ベンゼマが頭で決めて、レアルがあっという間に追いついた。

 レアルがナポリの戦略に応じたことで、試合は目まぐるしく攻守が入れ替わり、息もつかせぬハイテンポな展開で進んでいった。ナポリとすれば、自らが望んだ流れだったかもしれない。だが、それをかわして、違う流れに持ち込もうとするのではなく、真っ向から受け止めたレアルが一枚上手だった。

 後半に入ると、案の定というべきか(すでに前半なかばから、その予兆はうかがえていたのだが)、ナポリは防戦を強いられた。前半のようなハツラツさがなく、運動量が激減して出足も鈍い。加えて、せっかくボールを奪っても、攻撃につなげようとするところでパスミスが多発。ナポリのマウリツィオ・サーリ監督が「ボールを失うことが多すぎた。いつもよりミスが多かった」と嘆いたように、ナポリは攻め手を失うこととなった。

 それほどプレッシャーがかかっていなくても、つなぐべきところでつなげない。悲しいかな、運動量でカバーできなくなったが最後、個々の技術の差が試合の趨勢(すうせい)を決めてしまったと言わざるをえない。前半のように攻守が激しく入れ替わることはなく、ナポリはレアルの連続攻撃にさらされた。

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