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刺客ナポリを返り討ち。
レアルが見せつけた圧倒的な実力差 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 攻撃のときには、両サイドバックがウイングのような高い位置にポジションを取り、あたかも5トップに。守備になると、両ウイングがDFラインまで下がって、あたかも6バックになる。そうやって常にボールが入ってくる場所に人数をかけ、局面で数的優位を作り出そうとした。

 当然、これほど大胆に選手を上下動させるには相当な運動量が求められる。それでもナポリの選手たちは攻守の切り替えを早くし、よく走り、球際では激しく勝負し、レアルの選手たちに立ち向かった。

 果たして、リズムよく守から攻へとつなげていたナポリが試合開始からわずか8分、MFロレンツォ・インシーニェのゴールで先制する。

 この日のナポリは、縦に速いシンプルな攻撃が非常に冴えていた。ボールを奪ったら、相手の背後を突き、速く攻める。そこに徹底されていたのは、「当てて落として裏へ」という攻撃のパターンである。

 つまり、一度高い位置に縦パスを「当てて」、そのボールを「落とし」、後ろにいる選手に前向きでボールを持たせて、2列目からDFラインの「裏へ」走り込んでくるMFへスルーパスを出す。あるいは、逆サイドのスペースへ駆け上がってくるサイドバックへ、大きなサイドチェンジのパスを出す。そんなイメージである。

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