準備万端も声かからず。ラニエリ新戦術で岡崎慎司にさらなる危機感 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 そして、出場機会が減少している今、岡崎はもう一度足場を固めるために、プレーの意識を修正した。「もう一回、イチからかなって」と語る日本代表FWは、次のように考えを明かす。

「2年目に入って、昨季がどれだけありがたいシーズンだったかがわかった。(昨季は)先発しても、途中で交代されて悔しいというのが多かったけど、チームが勝っていたからずっと先発で出られていた。

(昨季に)自分が点を獲ってきていたら、もしかしたら何かが変わっていたかもしれないけど、大きくは変わらないと思うんですね。自分の与えられるポジションはやっぱり、点よりもチームのバランスっていうところになってくる。もちろん、プレミアにはチャレンジしに来ている。入団当初に『3年のなかでふたケタゴール』って言ったように、(成果が出るのは)3〜4年かかると思うんです。今年もふたケタ狙いますけど、やっぱりいい結果を残していくっていうのはなかなか大変だなと」

 もうひとつ、岡崎が危機感を覚える理由が、エバートン戦でラニエリ監督が採用した4−3−3のフォーメーションだった。中盤には守備に強いボランチ型のMF(ウィルフレッド・ディディ、ダニー・ドリンクウォーター、ナンパリス・メンディ)を使い、前線は両翼にウィンガータイプ(デマレイ・グレイ、マーク・オルブライトン)、1トップに高さのあるウジョアを置いた。前半途中でそのウジョアが負傷したが、代わりに入ったのは速さのあるムサ。1トップには速さや高さなどわかりやすい武器を持ったFWが使われ、この布陣だと岡崎は「たぶん出ないな」と感じていたという。

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