あのベッカムが「話せる男」に変身。
そのスピーチで聴衆をメロメロに (3ページ目)
幼いベッカムは毎日、近所の公園で友だちや父と一緒に練習をした。ベッカムはトレーニングが好きだった。しかし「それも仕事のようなものでした」と、彼は言う。
「父は私のプレーについて、『おまえがいちばんうまかった』などと言うことは、めったにありませんでした。もともとそういうことを言わない人でしたが、それだけでなく私にはとても厳しく接しようとしていたのです」
だがベッカムは、それが嫌ではなかった。彼がめざすのはひとつだけ、大好きなクラブであるマンチェスター・ユナイテッドに入ることだった(ベッカムはクラブの名を口にするとき、「マンチェスター・ユナイテッド」と敬意を込めて言い、めったに「ユナイテッド」などと略さない)。
そのときがついに訪れた日のことを、彼は語った。ある日曜日、地元のリーグ戦を終えたあとだった。
ベッカムの母:今日はいい試合ができて、本当によかったわね。
ベッカム:どういうこと?
ベッカムの母:だって、マンチェスター・ユナイテッドのスカウトが来ていたのよ。
ベッカムは泣きじゃくった。
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