規格外の17歳。ミランGK・ドンナルンマが、
メガクラブに狙われる (2ページ目)
ナポリ近郊のカステッランマーレ・ディ・スタービアで生まれたドンナルンマは、大工の父親から巨躯と勤勉性を受け継ぎ、9歳上の兄であるアントニオ(ギリシャのアステラスでGKを務めている)と共に幼い頃からGKのポジションを楽しんだという。小学生の頃から身長は180センチを超え、地元では有名な「GK兄弟」だったそうだ。
物心ついた時からサポートするミランに14歳で入団し、翌年にはファーストチームに引き上げられる。U-17イタリア代表にも選出され、2015年5月にブルガリアで開催されたU-17欧州選手権に16歳で出場。レギュラーを務めてグループステージ突破に貢献したが、のちに優勝を果たすフランスとの準々決勝で、0-3で敗れた(ちなみに相手GKは、ジネディーヌ・ジダンの息子、ルカ・ジダンだった)。
実はこの少し前に、彼の代理人を務めるミノ・ライオラ──現在のフットボール界で最も大きな影響力を持つエージェントのひとり──は、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙でのインタビューで世界中の選手からベストイレブンを選んでほしいと言われ、GKにドンナルンマを置いた。ライオラが自らのクライアントの評価を上げようとする狙いはあっただろう。とはいえ、この時点でほとんどの人が知らない15歳を選出したのは、そのポテンシャルを買っていたからでもあるはずだ。
昨季は冒頭のサッスオーロ戦以降、リーグ戦の全試合に出場し、コッパ・イタリアの決勝でもゴールマウスを任された。今季は全試合にフル出場中で、9月のフランスとの親善試合ではアッズーリにもデビュー。ハーフタイムに憧れのブッフォンと交代し、イタリア代表のGKとしては最年少で初キャップを刻んだ。11月のドイツとの親善試合でも、同様に後半だけ出場している。ジジ(ブッフォンの愛称)からジージョ(ドンナルンマの愛称)へ──。一足飛びの世代交代は、もうじき果たされるだろう。
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