代表デビュー戦でハットトリック。ドイツの新星・ニャブリは「本物」か (2ページ目)
祖国を離れ、もがき苦しんでいたニャブリに救いの手が差し伸べられたのは、昨シーズン終了後のこと。ホルスト・ルベシュ監督が、リオデジャネイロ五輪に臨むU-23ドイツ代表にニャブリを招集し、前線の核として起用することを決定した。その期待に応えるべく、南米の地で奮闘した彼は計6ゴールを記録し、大会の得点王に輝いている。
FWとしての能力が改めて証明されたことで、ブンデスリーガの古豪ブレーメンがいち早く獲得に動いた。アーセナルに支払った移籍金は500万ユーロ(約5億9350万円)と決して安くはなかったが、この買い物は大当たり。ここまでリーグ戦10試合に出場し、4ゴール2アシストの成績を収めている。
特に、ニャブリの高い身体能力には、味方ですら驚きを隠せない。第6節ダルムシュタット戦で、こんなシーンがあった。
67分、カウンターからウスマン・マネーが最終ラインの間へスルーパスを送ると、裏へ抜けたニャブリがGKより一瞬早くボールに触り、無人のゴールへシュートを決めた。実はこの時、マネーはパスを出した後、自分への怒りを隠さず、手を地面に叩きつけており、同じく右サイドにいたフィン・バルテルスも、両手で頭を抱えていた。つまり、チームメートの誰もが、「スルーパスが長すぎた」と感じていたのだ。しかしニャブリは、この「誰もが追いつけないと思ったパス」に追いつき、チームをドローに導く得点を決めている。
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