2016.08.06

コンテ監督の流儀。殺人的トレーニングで代表チームも戦術は高まる

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi
  • photo by Getty Images

アントニオ・コンテインタビュー part.3 

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 今シーズンからイングランドプレミアリーグのチェルシーで指揮を執るアントニオ・コンテ。ユーロ2016ではイタリア代表を率いてベスト8進出。大会前の低評価を覆してみせたイタリアの名将が、格上の相手に勝つために何をすべきかを語った。
ユベントスでもイタリア代表でも、コンテはベンチから選手たちを鼓舞し続ける
――ユーロでは、イタリア不利と予想されていたスペイン戦に勝利。前回王者に対して見事な試合展開でした。そのユーロ後、イタリアの強固な守備ばかりを各国のメディアが盛んに取り上げましたが、実際には、守備と同じように攻撃においても見るべき場面はあったはず。例えば、イタリア対スペインの前半23分46秒から24分08秒までの22秒間。

 MFアンドレス・イニエスタのパスをDFレオナルド・ボヌッチが自陣ペナルティ・エリアのほぼライン上でインターセプト。そのままドリブルで敵陣へ入り、ボールを受けに来たFWグラツィアーノ・ペッレに当て、そのペッレから左サイドMFエマヌエーレ・ジャッケリーニへ。そこから中央のMFダニエレ・デ・ロッシに戻すと、デ・ロッシから再び左サイドへ。このボールを受けたDFマッティア・デ・シッリョのクロスが入ると、2列目から飛び出したMFマルコ・パローロがヘッドでシュート。

 惜しくも枠を外したとはいえ、「強固な守備=効果的な攻撃」を示した。ポイントは、イニエスタのパスが出る直前のパローロ、ボヌッチ、そしてフロレンツィのポジショニング。この22秒間にコンテ監督の戦術のエッセンスが凝縮されていると考えていいでしょうか。

 完璧な解釈だ。その場面も大会前のトレーニングで繰り返し試していたことだ。したがって、あの状況でどう動くべきかを選手たちはすべて頭に入れていた。