技術でもドイツ語でもない。宇佐美貴史「2度目の挑戦」に必要なこと (2ページ目)
移籍したアウクスブルクは今季、監督が交代し、ディルク・シュスター(48歳)が指揮をとる。昨季まではダルムシュタットを率いて、34年ぶりに1部リーグを戦ったクラブを残留(14位)に導いた。
ちなみに昨季までアウクスブルクを指揮していたマルクス・ヴァインツィアルは、引き抜かれる形でシャルケの監督に就任した。カルロ・アンチェロッティに決 まる前はバイエルン・ミュンヘン監督就任の噂も出たほど、ドイツ国内では注目の監督だ。そのヴァインツィアルは現役時代の98~99シーズンにバイエルン に所属。だが試合出場は叶わなかったようで移籍している。もし残っていれば、宇佐美の心境を理解してくれるドイツ人だったかもしれない。
とはいえ、監督が交代し戦力もある程度新しくなるという意味で、自らも新戦力として加わるには悪くないタイミングだ。アウクスブルクという場所も悪くな い。ミュンヘンからICEという新幹線で約1時間。街は小さいが古くて美しく、落ち着いた環境で暮らせるはずだ。おそらくかつて在籍した細貝萌からも情報 を得ているだろう。1からトライするには悪くないチームである。
そもそも宇佐美の突破力、スピード、センスといったポテンシャルに対しては、最初にドイツに渡る前から高い評価が与えられていた。加えて10代でバイエルンというブランドクラブに獲得されたということは、それ自体が実績である。
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