2016.07.15

アーセナル「青田買い」の黒歴史。
浅野拓磨のリミットは2年か

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「1年目からアーセナルでチャレンジしたいという気持ちはあります。レンタルになったとしても、マイナスではないと思っていますし、やるべきことは変わりません。どのチームでも、目の前のことに対して100%でやっていければと思っています」

 イングランドの名門アーセナルへ完全移籍することを発表したサンフレッチェ広島の浅野拓磨は、会見の場で自らこのようにコメントした。

現在21歳。浅野拓磨は欧州で生き残ることができるか 過去にアーセナルと契約した日本人選手は、稲本潤一(2001年にレンタルでの移籍)と宮市亮(2010年12月に中京大中京高から入団)の2名がいるので、浅野は同クラブ3人目ということになる。しかし、浅野の発言にあるように、現実的には英国での労働許可証を取得するためのハードルが高いため(※)、おそらく初年度はレンタルで他のヨーロッパのクラブでプレーすることが濃厚と見られている。

※現行の規定では、2年間の通算FIFAランキングが53位の日本の選手はFA(フットボール・アソシエーション)から自動的に移籍の承認を得ることはできず、特例を除き、労働許可証を取得できない。

  たとえば、宮市がそうだった。当時のルールは現在ほど厳しくなかったものの、それでも日本国内でプロとしての実績がなかった高校生の宮市は、イングランドでプレーする許可が下りなかったため、アーセナルと5年契約を交わした直後にオランダのフェイエノールトでプレーすることが決定。そしてその後、約半年間オランダで実績を積んだことにより、2011年8月にアーセナルの申請で労働許可証を”特例”で取得する――という経緯があった。