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アーセナル「青田買い」の黒歴史。
浅野拓磨のリミットは2年か (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 それを考えれば、今回の浅野の移籍は、「初年度レンタルを前提とした移籍」と見ていいだろう。実際、浅野との契約合意について、指揮官のアーセン・ベンゲル監督は公式サイトで、「拓磨は優秀な若手ストライカーで、将来が楽しみな選手。日本でも素晴らしいキャリアを積んでいるし、これから2年ほどでさらに成長してくれることを期待している」とコメントしている。

 ただし、だからといって、浅野のアーセナル移籍を悲観的に捉える必要はないだろう。要は、どこのクラブでプレーするにせよ、浅野がヨーロッパの地でしっかりと実績を積み上げていけばいいだけの話である。たまたま入口がアーセナルからのレンタル移籍になるだけで、基本的にはヨーロッパのマーケットのなかに身を投じるチャンスを得たことは間違いないのだから。

 実際、ベンゲル体制になってからのアーセナルは、過去に「青田買い」的な若手の獲得を繰り返しており、浅野のような例は枚挙にいとまがない。近年はチェルシーもその傾向が強いが、もともとこの手法は「ベンゲルが本家」とも言えるのだ。

 問題は、アーセナル入りしてから、その若手選手がどのような経緯を辿ってキャリアを積んでいくのか......という点に尽きるだろう。

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