2016.07.10

「末恐ろしい10代」EURO2016に現れた、とんでもない逸材たち

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi photo by GettyImages

「バイエルンでプレーするのを楽しみにしている。でもクラブの方も僕に期待してもらいたいね」とドイツメディアに話したように、度胸も自信も満点 だ。大舞台にもまったく動じずに自らを表現するサンチェスが、この勢いのままに母国を優勝に導くことになるのか。そして、その後の新シーズンにはドイツの 絶対王者で居場所を見つけられるのか。アフリカのカーボベルデにルーツを持つ新たな褐色のダイナモから、目が離せそうにない。

■キングスレー・コマン(フランス/19歳[開幕時])

スピードキングの異名を持つコマン カリブ海のフランス領グアドループ出身の両親のもと、パリ郊外に生を受けた天才ドリブラーの名は、フランスのサッカー関係者の間に早くから知れ 渡っていた。コマンは7歳の時にパリ・サンジェルマンのアカデミーに入団すると、エリートのなかでもひときわ大きな才能を伸ばしていき、2013年2月に クラブ史上最年少となる16歳8カ月でリーグ1にデビュー。フランス首都のクラブでさらなる成長を遂げていくものと思われていた。

 ところ がパリでも、その後に移ったユベントスでも満足できるほどの出場機会は得られず、15-16シーズンに2年間の期限付きでバイエルンへ移籍。ジョゼップ・ グアルディオラ監督から「自分の力を疑うな。ありのままにプレーするのだ」とアドバイスされると、これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように躍動し、 所属元ユベントスとのチャンピオンズリーグ・ラウンド16での1得点1アシストを含め、ドイツ王者で1シーズン目は35試合6得点12アシストを記録し た。