EURO珍事。敗者を気づかうアイスランドサポーターがいい人すぎる

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

決して大騒ぎすることなかったアイスランドファン決して大騒ぎすることなかったアイスランドファン

1カ月にわたり熱戦が繰り広げられてきたユーロも、いよいよ大詰めを迎えようとしている。開幕前にはテロの危険が心配されたが、いざ大会が始まると、フーリガンという思わぬ敵が問題となってしまった。

  グループB第1戦イングランド対ロシアの会場となったマルセイユでは、大会開幕前日から両国のフーリガンによる衝突が起こった。騒ぎは当日になっても収ま らず、試合後にはスタジアム内でロシアのフーリガンによる暴動が発生。マルセイユ警察の発表によれば、一連の騒動で少なくとも35人が負傷し、うち4人が 重体。8人の逮捕者が出ることになった。UEFAはロシアサッカー協会に対し、同様の問題を起こした場合には大会から追放するという警告を行なった。

  さらに、グループC第1戦ドイツ対ウクライナの会場となったリールでは、ドイツのネオナチ集団によるウクライナ人ファン襲撃が発生。またグループD第2戦 チェコ対クロアチアでは、クロアチア人フーリガンがピッチ内に発煙筒を投げ込み試合が中断するなど、一部の観客による過激な行動が話題を集めた。

 ただ、その後は運営側が警備を強化し、騒ぎは次第に収まっていった。現地を訪れた各国の人々は、この祭典を大いに楽しんでいた。中でも印象的だった国のファンを紹介したい。

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