清武弘嗣、セビージャに正式入団。サンパオリ体制で「仕事場」はどこか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Sevilla FC

 このサンパオリ戦術において、清武はトップ下の選手と見なされるだろう。

 チリ代表のトップ下は、「EL MAGO」(魔法使い)の異名を取ったホルヘ・バルディビア(アル・ワフダ・アブダビ/UAE)が担っていた。清武はセットプレーのキックは正確無比で、バルディビアに匹敵するスキルを持っている。しかし、ピッチ上の全員の予測を裏切るようなファンタジアはない。また、得点力も決定的に乏しく、シュートスキルには難がある。

 サンパオリは、少しでもバルディビアのプレークオリティが落ちるとベンチに下げていた。そして4-3-1-2を4-3-3に変更。トップ下ではなく、トップの選手を置いている。この戦術が定着した場合、清武は分が悪くなるだろう。セビージャには、MF登録だが長身でエメリ監督時代はFWもこなしたビセンテ・イボーラ、あるいは本来のCFで空中戦は抜群の元スペイン代表フェルナンド・ジョレンテが控える。

 清武はハノーファー時代、サイドから中央に、比較的自由にプレーしていた。スペースと猶予があれば、出し手として一定の貢献ができる。ただ、サンパオリはサイドにパサーを好まない。激しいアップダウンで敵を屈服させられる選手か、ドリブルでマーカーをはがし、守備ラインを崩せる選手を用いる。セビージャではウィングバックならコケ、トレモリーノスが有効なカードだろうし、崩し役としてはビトーロ、イェウヘン・コノプリャンカがファーストチョイスだろう。

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