もし日本が出場していたら最下位確実!? ユーロ決勝Tは消耗戦に (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Hara Etsuo

 そして真面目。具体的にはボールに対する反応がシャープだ。手も抜かない。最後まで全力を尽くす。球際の強さにそれは表れる。リードされても落胆しない粘り強さもある。強者ではなく弱者だと、自らをチャレンジャーとして認識している点にも好感を抱かせる。だから大崩れしない。なにより、強国にいくら攻められても、簡単にゴールを許さない忠実な守備力がある。

 日本のサッカーに不足している点だ。思い出すのは1対4で敗れた2014年ブラジルW杯コロンビア戦。あと5分あったらもう2点ぐらいブチ込まれていそうな、まさに大敗劇。「確かに点は取られたが、攻撃的サッカーは貫けた」とは、試合後の日本代表主将の言葉だが、ユーロの舞台でその的はずれな言葉を想起すると、仮に日本がこの大会に出場すれば、24チーム中最下位は確実のように思える。


 崩れてしまったチームを立て直せずに、ずるずる差を広げられるケースは、今大会では、スペインに0−3で敗れたトルコに若干見られた程度だ。

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