もし日本が出場していたら最下位確実!? ユーロ決勝Tは消耗戦に (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Hara Etsuo

 1番から24番までが、狭い幅の中に収まっているところにユーロ2016の魅力がある。絶対的な強者も弱者も鮮明にならない。16から24に増えても間延びした印象がないところに、欧州の底力を見る気がする。W杯の欧州枠(次回は13+開催国ロシア)がいかに狭き門か、あらためて思い知らされる。

 何より消化試合が少ない。各組の3位チームの中で成績のよい4チームが16強に入れるので、最終戦を前に絶望的なチームはごく僅か。最終戦にひとつ勝ち、得失点差でヘコまなければ、ベスト16への道は開ける。32から16に絞るW杯本大会より、最後まで白熱する仕組みだ。

 各組3位チームの中で、最も悪い成績(全体の16番目)で抜けたのは北アイルランドだが、大会前、ブックメーカーの予想で、優勝候補の6番手に挙げられていたポルトガルが、そのひとつ前(全体の15番目)だったのは意外だった。最終ラインが深すぎる弊害について何度か述べたが、それに付け加えるべきはクリスティアーノ・ロナウドの存在だ。

「アンチ」の象徴として、これほど分かりやすい選手はいない。ポルトガルは敵を多く抱えることになってしまった。対戦チームは、親の怨みを晴らさんばかりの勢いでポルトガルに向かってきた。それを何とかしのいで15番目で通過。決勝トーナメント1回戦では、スペインを倒しグループリーグ首位通過を果たしたクロアチアと対戦する。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る