2016.06.09

オランダ人も応援。「シンデレラ」ベルギーのEURO優勝はあるか

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper   森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】EURO2016、5つの願い(後編)

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 今回のユーロで実現したら楽しそうな「5つの願い」──残りの2つをあげてみる。

EURO2016で初優勝が期待されているベルギー photo by Getty Images4 イングランドが「面白い」フットボールをする

 この数十年、イングランドでは主要大会のたびに3つの儀式がとり行なわれてきた。(1)優勝するぞと大声で叫びつつ、大会に突入する。(2)ファンをうんざりさせ、すごすごと帰国する。(3)国中で「戦犯」探しが始まる(1998年のワールドカップで、デイビッド・ベッカムに向けられたバッシングを覚えているだろうか)。

 2010年のワールドカップ南アフリカ大会でみじめな成績を残した後、イングランド代表への期待は決定的に崩れ去った。イングランドの8歳以上のファンのなかに、今回のユーロで代表に優勝を期待する人はいないだろう。イングランドのディフェンスと中盤は、史上最悪と言ってもいい。

 しかし今回期待できるのは、イングランドがすごすごと帰国する前に面白いフットボールを見せてくれるのではないかということだ。育成組織が充実してきたおかげで、イングランドの創造性のある若い選手は、ロングボール主体の伝統のフットボールに染まらずにすんでいるように見える。