2016.05.30

レギュラー奪取のタラゴナ鈴木大輔。昇格をかけてリーガ2部最終節へ

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

ヒムナスティック・タラゴナのCBとして出場を続ける鈴木大輔「自分の中で、"海外に行く"と決めちゃってたから。それしか考えなかった。行くもんだ、とだけ思っていました」

 鈴木大輔(26歳)は、純粋に自分が行くべき道を信じた。あえて退路を断ち、Jリーグのクラブからの誘いもすべて断った。理屈で考えたらできない行動である。なにしろ数千万円の年俸を捨て、"無職"になる可能性もあった。ほぼ同時に結婚も決めていた。

「確かにどうかしてますよね(笑)。でも俺は25歳(当時)で、これから何倍にも返ってくるものがある、と考えていて。自分の人生において、しんどいときというのが、あとあと一番成長に繋がっているんです。だから、成長するには厳しい環境に身をおくべきだと思って。その成功体験があるから、同じステップを踏んだ、というだけのことです」

 そう語る鈴木は、前途に楽しいことが待っていると思い込める男で、それ故に行動に暗さがない。

 彼が所属することになったヒムナスティック・タラゴナ(通称ナスティック)は、リーガエスパニョーラ2部で3位につけている(5月30日現在)。1、2位が自動昇格、3~6位が昇格プレーオフを戦うが、最終節を残して2位との勝ち点差は1。来シーズン、世界最高峰のリーガ1部への参戦をかけ、戦いは佳境を迎える。これを乗り越えれば、年俸は数倍、なによりメッシやC・ロナウドらキラ星のごとき選手と相対することができる。