2016.04.24

あらゆる人種が集う街レスターが、サッカーでひとつになりつつある

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】レスターの街の物語(3)

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レスターで先発を続ける岡崎慎司。プレミアにアジア出身選手は少ない(photo by Getty Images) レスターのファンには、圧倒的に白人のイギリス人が多い。レスター大学のフットボール社会学者ジョン・ウィリアムズが10年ほど前に行なった調査では、ホームゲームに集まる観客のうち人種的マイノリティーはわずか7%だった。ラグビーのレスター・タイガースの試合ではもっと少なく、1%にすぎなかった。

 ウィリアムズの予測では、今ではレスターの観客に占めるマイノリティーの割合は10%ほどに増えている。イングランドのクラブでは多いほうだが、住民の半数が非白人の都市としては少ない(彼のみるところ、プレミアリーグのクラブでファンの人種的多様性が最も高いのはアーセナルだ)。

 ウィリアムズは、クラブの対応が遅いと批判する。グッズのカタログにアジア系のファンを載せたり、スタジアムでアジア系のフードを宣伝するなど、さまざまな人種のファンがいるクラブにふさわしいことをもっと積極的に実行していくべきだと、彼は言う。

 確かに、ほとんどのイングランドのクラブと同じく、レスターも進歩はしている。サポーターのナーベド・プラハは、彼と同じシーク教徒の仲間たちが最近は頭にターバンを巻いてキング・パワー・スタジアムに出かけると言う。10代のころ、彼はターバンが目立たないよう、その上からバンダナを巻いたり、帽子をかぶったりしていた。