バイエルン薄氷のCL8強。あわや1回戦敗退の危機に瀕した理由 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 振り返ればファーストレグからいいところはなかった。第1戦は2点を先行したのに、追いつかれて2-2。ユベントスは執拗なプレスと堅守速攻で、90分間をかけてじわじわとバイエルンを苦しめた。

 そしてセカンドレグ。バイエルンは弱点を完全につかれた2失点だった。先制点は試合開始直後の5分。中盤からのロングボールにDFデビッド・アラバとGKマヌエル・ノイヤーが連係をミス。実はバイエルンは案外ノイヤー絡みの失点が多い。ユベントスはしっかりとそこを突いてきた。28分の2点目は自陣でボールを奪ったユベントスのアルバロ・モラタが中央をドリブルで独走。最後はノーマークのフアン・クアドラドにパスを出されて決められた。

 後半に入ってからのユベントスは当然のように引いてきた。バイエルンはキングスレイ・コマンを投入することでサイドに起点を作り、どうにか逆転に成功したという試合だった。

 前半の2失点に関していえば、ブンデスリーガではなかなかお目にかかれないシーンだった。ここまで厳しくボールを奪われることもなければ、モラタやパウル・ポグバのような速いドリブラー、正確なシューターもいない。それに、そもそもバイエルン相手に萎縮するチームが多いこともあって、どこか殿様的な余裕をもった展開になる。

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