自分に厳しい岡崎慎司。マンC撃破で優勝が見えても笑顔なし (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 しかも相手は、2位につけるマンチェスター・C。岡崎も自分に風が吹いていると感じているからこそ、首位決戦で何としてもゴールを決めたかったはずだ。だから、「今日言えることは、大事なところで決める。それだけです」との厳しい自己評価だったのだろう。

 とはいえ、岡崎を取り巻く状況は確実に変わってきた。たとえば81分の交代時には、アウェーのマンチェスターまで駆けつけたレスターサポーターがスタンディングオベーションで日本代表FWを讃えた。総立ちの拍手で迎えられるのは、これで3試合連続。もともとサポーターの岡崎評は高かったが、「積極性と献身性」の両方を体現している今、彼らのハートを鷲掴みにしている。そしてベンチに戻ると、クラウディオ・ラニエリ監督が力強く抱擁。上昇機運に乗っているレスターで、着実に存在感を高めている。

 それでも、岡崎は慢心しない。「5戦連続で先発し、定位置を掴んだ雰囲気があるが?」と質問をぶつけても、次のように言う。

「そういう風には思っていない。常に(FWレオナルド・)ウジョアと交代すると思っている。プレー内容が1回でも悪くてチームも悪かったら、自分は45分で代えられる。今日だって、その可能性はあった。そういう意味では俺の調子だけではなく、チームの調子も関わってくる。ということは、俺はやりたいことをやらないといけない。そうじゃないと損するだけ」

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