名将クロップ新体制でリバプールはどう生まれ変わったのか?

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 ユルゲン・クロップ監督への政権交代を機に、リバプールが息を吹き返した。

 彼らの変化は、何よりも数字が物語っている。ユルゲン・クロップ新政権とブレンダン・ロジャース前政権の「スタート11試合」を比較したデータをひも解くと、リバプールにポジティブな風が吹き始めていることが手に取るようにわかる。

低迷する名門リバプールの再建を託されたユルゲン・クロップ監督低迷する名門リバプールの再建を託されたユルゲン・クロップ監督 たとえば、白星の数はロジャースの3勝(勝率27.3%)に対し、クロップは7勝(勝率63.6%)。「得点数11・失点数13」を記録したロジャースに対して、クロップは「得点数21・失点数8」と前政権を大きく引き離している。

 これだけではない。タックルの数も、ロジャースの「232回」に対し、クロップは「253回」。パスの本数でもロジャースの「5633本」を上回り、クロップが「5777本」と100本強も多い。

 しかも、クロップのデビュー戦となったトッテナム・ホットスパー戦(10月17日)では、チーム全体の走行距離で「116キロ」という数値を叩き出した。これは、それまでのプレミアリーグ戦におけるチーム最高数値で、アーセナル戦(8月24日)で記録した2位の「110.5キロ」を5キロ以上も上回った。

 これらのデータをまとめると、「クロップ政権の骨格」が見えてくる。走力をベースに攻守両面でアグレッシブに戦い、積極果敢にゴールを目指す。そして、球際では激しく、縦に速く──。クロップ監督が標榜するサッカーが、ゆっくりと形になりつつある様子が見て取れる。

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