2015.12.17

長友佑都も復活させたインテル。強さの秘密は「カメレオン」

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko photo by Getty Images

 カメレオンのようなチーム。イタリアのメディアは今のインテルを指してそう呼んでいる。なぜなら毎試合ごとに、選手の顔ぶれもシステムも変わってしまうからだ。ここまでのセリエAの16試合でインテルが使用してきたフォーメーションは16通り。一度としてスタメンに同じ11人を使ったことはない。しかし実はこれが現在セリエAの首位に立つインテルの強さの最大の秘密でもある。

 今シーズンのインテルは夏の選手放出がうまくいかず、30人の大所帯だ。ヨーロッパカップ戦もないチームにとってこれは明らかに多過ぎる人数だ。おまけに夏の移籍市場が閉まるギリギリまで選手の移動があったため、今のチームの形になったのは開幕直前。マンチーニ監督はぶっつけ本番で試行錯誤しながらチームを率いていくしかなかった。

コッパ・イタリア、カリアリ戦にフル出場、勝利に貢献した長友佑都 しかし、彼はそのハンデをアドバンテージに転換させた。毎回選手を変えて戦うことを逆手にとって、彼は選手全員にインテルへの帰属意識を持たせることに成功したのだ。大きな目標を手に入れたいのであれば、チーム全員が同じ気持ちでそれに向かわなければいけない。

 マンチーニは経験からそのことを知っている。選手時代、彼が所属していたサンプドリアは決して強豪チームではなかった。しかしチームのまとまりの良さだけはどこにも負けないものがあった。その結果。マラドーナのナポリ、オランダトリオのミラン、ドイツトリオのインテル、バッジョのユベントスを破って史上初のスクデットを獲得したのだ。