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長友佑都も復活させたインテル。強さの秘密は「カメレオン」 (2ページ目)

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko photo by Getty Images

 今のインテルにはレギュラーも存在しないが、ベンチ要員も存在しない。選手たちは誰もが自分の地位が安泰ではないと知っているが、同時に自分にも必ずチャンスがあることを知っている。自分もスクデットを勝ち取るプロジェクトの一員であると誰もが感じているのだ。シーズン初めはまるで使われなかったにもかかわらず、長友佑都がインテルに留まり続けていたのは、いつか自分に出番が回ってくることをわかっていたからかもしれない。

 また逆に、長友のように控えに回された選手が次回の出場を信じて練習に励んでいるからこそ、この戦略がうまくいったとも言える。つまりこのカメレオン・インテルの成功は監督と選手たち、そして選手同士の良い関係があってこそ、なのだ。そうでなければ逆に誰もが自分の立ち位置を不安に感じ、疑心暗鬼に陥ってしまう可能性も大きい。

 昨シーズンのベニテスのナポリなどがそのいい例だ。ベニテスも今シーズンのマンチーニ同様、ほぼ週替わりのフォーメーションを使っていたが、それはあまりうまくいかなかった。ベニテスと選手の間に強い信頼関係がなかったからだ(現在率いているレアル・マドリードでも彼は選手に人気がない)。
 
 その点、選手たち仲の良さを表すエピソードは枚挙に暇がない。それをよく物語っているのが、今、インテルで大流行中のブロゾヴィッチ・ポーズだ。ブロゾヴィッチはこの夏、インスタグラムにバカンス中の写真をアップした。二人の美女とブロゾヴィッチが車に乗っている写真なのだが、そのブロゾヴィッチが顎に指を当て、あまりにもスカしているので、チームメイトたちがそのポーズをこぞって真似するようになったのだ。

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