年末年始にチャンスあり。ラニエリ監督が描く、岡崎慎司の起用法 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 そんな彼らの躍進の原動力は、やはりバーディーである。カウンターから豪快にネットを揺らすイングランド代表FWには、マンチェスター・Uやチェルシー、マンチェスター・Cといったビッグクラブが注目している。バーディーなくして、現在の成績はありえなかっただろう。

 だが、首位に立っている今、単なるワンマンチームの域を超えていることも、また事実である。フィールドプレーヤー全員がハードワークをいとわず、献身的に走り回る――。レスターをそんな領域へと押し上げたのは、チームを率いるクラウディオ・ラニエリ監督に他ならない。

 ラニエリの優れている点は、「バランス感覚」にある。フィールドではプレッシングとリトリート(選手が自陣に下がって守備を固める戦術)を使い分け、攻守のバランスを適切にとっている。採用フォーメーションは4-4-2。シンプルでわかりやすいサッカーを実践している分、選手たちのプレーに一切の迷いが見えないことも、強みと言えるだろう。

 また、起用法をみても、イタリア人指揮官はチーム全体がよく見えている。調子の良い選手を優先的に起用しながら、控えの選手にもチャンスを与えて競争心をあおる。このあたりの"サジ加減"が、実に絶妙なのだ。

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