「メッシ依存症」から脱却してレアルに完勝。バルサの新たな攻撃力 (3ページ目)

  • 山本美智子●取材・文 text by Yamamoto Michiko photo by Rafa Hueruta

 この日は、不甲斐ない試合内容に、終了まで20分を残しているにもかかわらず、席を立って会場をあとにするレアル・マドリードのサポーターが続出した。15年以上クラシコを取材しているが、ここまで早い時間に観客が出て行くのを見たのは初めてだ。

 ちなみに、今回のクラシコのチケットの平均価格は、659ユーロ(約86,000円)と言われているが、マドリードファンにとっては、その値段に見合う内容とは言い難いゲームとなった。地元メディアは「世界一高く使えない前線BBC」(※)と痛烈に批判を展開しており、このバッシングは明日以降も続くことだろう。
※BBC=ベイル、ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウドの頭文字。前線の3人の呼称

 とはいえ、サポーターはベニテスや選手ではなく、その背後にそびえ立つフロレンティーノ・ペレス会長こそが大敗の元凶と決定を下したようだった。

「フロレンティーノ、辞任しろ!」のコールが、試合後のスタンドから何度もわき起こった。

 抗議の意を示す白い紙やハンカチを振って不満を伝えるサポーターでスタンドが揺れ、その辞任コールが余りにも大きかったために、声をかき消すためにクラブ側はスタジアムに流れていたクラブソングの音量を上げたほどだった。

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