香川真司、武藤嘉紀。ブンデス日本代表組が陥った「過労の罠」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 インターナショナルマッチウィーク明けのブンデスリーガ。日本代表選手たちのプレーは少々重たげだった。シンガポール、カンボジアと暑い中で試合と練習を行ない、ドイツの気候と時差に苦しんだのだろうというのが率直な印象だ。

対戦した酒井高徳(ハンブルガー、左)と香川真司(ドルトムント)対戦した酒井高徳(ハンブルガー、左)と香川真司(ドルトムント) まず金曜日に行なわれたハンブルガー対ドルトムント。3-1と、ドルトムントがまさかの今季2敗目を喫した。17日のカンボジア戦にフル出場した香川真司は、全体練習に合流することなく中2日で先発出場。しかし精彩を欠き、前半のみで退いた。これは先発した試合では今季最短の出場時間での交代とあって、本人のコメントも歯切れが悪い。

「さすがに移動がタフだったので......。練習は今日(試合当日)しました。監督も体調のことを聞いてくれた中で、自分が『できる』と言ったので、責任を持って試合に入った。使ってくれた中で(の結果だった)。でも、これは過ぎたことだし......」

 日本代表の東南アジア遠征直前には、シャルケとのレヴィアダービーで先制点を挙げる活躍を見せ、好調のまま合流したはずだった。だがその試合は日曜日開催。合流が遅れたこともあり、初戦のシンガポール戦は途中出場となった。この時点ですでに厳しい日程の影響が出ていたわけだが、ドルトムントに戻ってからは、今度は代表戦の影響が出たというわけだ。

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