ドイツ杯大勝、香川真司のゴールでドルトムントが得る「大きな収穫」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 試合翌日、多くのドイツメディアで使われた写真は、ピッチ脇で右手にボールを持ち左手で指示を出すドルトムントのフンメルスから、エフェンベルクがいたずらっぽくボールを奪おうとする一枚だった。

 ドルトムントにとっては、今季のこれからを占ううえでも意味のある勝利だった。大きいのは、試合出場はあるもののレギュラーとは言いがたかったカストロとラモスがそろって結果を出したことだ。

 カストロは2ゴール2アシストの大活躍。「やっと結果を出せた」と、インタビューで素直に喜びを表現した。これまで決定的な働きがなく、試合終盤にオーバメヤンに代わって途中出場することが多かったラモスも先発で1ゴール1アシスト。来週以降も続くヨーロッパリーグ(EL)に向け、ターンオーバーを考えれば大きな収穫となった。

 そして中盤で起用された香川は、この日、1ゴールを挙げている。チームとしては3点目となるその得点は43分のこと。左サイドからカストロとのワンツーでペナルティエリア内に入ると、そのままドリブルで2人をかわし、GKの位置を見据えながら、左足でループ気味にニアサイドを抜いた。最近では珍しいゴール前での思い切ったプレーだった。23分には左からのシュートが惜しくもクロスバーに弾かれていただけに、香川にとっても待望の得点だった。

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