強敵バルサ戦。エイバルの乾貴士がカンプノウで得た手応え (3ページ目)

  • 山本美智子●取材・文 text by Yamamoto Michiko photo by Rafa Hueruta

 試合前日の記者会見で、バルセロナのルイス・エンリケ監督は乾について「サイドアタッカーとして、今季非常によくやっている興味深い選手」と発言していたように、乾のリーガ・エスパニョーラでの評価は悪くない。

 エイバルのクラブ史上、最高金額の移籍金でやってきた選手が日本人だったという話題性もありつつ、カンプノウでも非常に落ち着いてプレーしている様子からも、ドイツで4年間経験を積んだことがしっかりと糧になっていることがうかがわれた。

 リーガに来たばかりという悪い意味での初々しさはなく、そういった点が地元でも評価されているのだろう。試合後のミックスゾーンでは、15年来バルサを追いかけているベテラン記者やフォトグラファーが「スペインでプレーした歴代の日本人の中で、彼は最高なんじゃないの?」と話していたことからも、その評価ぶりは伝わってくる。

 この試合で乾は左サイドで出場。ほとんど守備は行なわず、味方が守備についている時も自身はトップに残り、常にカウンターに備える役割を果たしていた。ここ5試合連続でスタメン起用されており、それがこういったビッグゲームでも変わらないということは、監督から攻撃の担い手として信頼されていることの証だろう。

 だがこの日、エイバルの攻撃は右サイドからの展開が多く、乾はほとんどボールに触れることができなかった。後半には、右サイドでフリーになってもボールが回って来ないため、大声を出し、両手を振って味方にボールを求めるシーンも見られた。

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