32年ぶりのユーロ予選敗退。オランダが弱くなった「真の原因」

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru  photo by AFLO

 かすかな望みを残し、予選・最終戦のチェコ戦に挑んだオランダだったが、ホームで2-3と敗れてしまい、来夏のユーロ(UEFA欧州選手権)出場権を逃してしまった。

ユーロ本大会への出場を逃し、ガックリとうなだれるオランダ代表の面々ユーロ本大会への出場を逃し、ガックリとうなだれるオランダ代表の面々 1996年のイングランド大会で16ヶ国開催となったユーロは、2016年のフランス大会から24ヶ国へと拡大される。予選参加国・地域は「53」。およそ半数のチームが予選を勝ち抜く計算となる。

 そのなかでもオランダは、「サッカー強豪国のひとつ」といって間違いない。近年もW杯では準優勝(2010年・南アフリカ大会)、そして3位(2014年・ブラジル大会)と好成績を残していた。しかも、ユーロ予選で同じグループとなったアイスランドは好チームなものの、ヨーロッパのなかではサッカー小国に過ぎない。チェコやトルコも近年は成績が振るわない国だっただけに、オランダ人にとってこの敗戦のショックは大きい。

 2008年8月、オランダ代表監督に就任したベルト・ファン・マルワイク監督は、マルク・ファン・ボメルとナイジェル・デ・ヨンクのMFふたりを中央に置いて、W杯予選ではかなりオーソドックスなポゼッションサッカーをしていた。しかし最終ラインの弱さに気づくと、2010年W杯直前の準備期間に全員がハードワークするソリッドなチームに作り変え、準優勝という結果を手にした。

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