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32年ぶりのユーロ予選敗退。オランダが弱くなった「真の原因」 (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru  photo by AFLO

 2012年のユーロでは、FWアリエン・ロッベン、MFウェスレイ・スナイデル、FWロビン・ファン・ペルシー、MFラファエル・ファン・デル・ファールトといったスターたちに、「今度は攻撃サッカーで結果を残したい」という欲が生まれた。一方、CBのスピードが総じて遅く、左SBイェトロ・ウィレムスも経験不足という弱点のあった4バックは、前で守備ラインを作るのを怖がった。こうして、オランダの陣形は縦に50メートルも間延びし、セントラルMFのファン・ボメルとデ・ヨングが右往左往する事態となった。

 そして今回のユーロ予選も、2014年W杯で3位となった「守備的なカウンターサッカーからの脱却」が、オランダサッカー協会(KNVB)のテーマとなり、フース・ヒディンク監督にその任務が託された。しかし、オランダ国内では、「ファン・ハールの厳しいやり方に慣れてしまった若い選手は、自主性に任せるヒディンクに合わせるのに苦労するだろう」という見方があった。

「オランダらしいサッカーを取り戻すこと」を掲げたヒディンクだったが、いきなり最初の試合でつまずいた。2014年9月に行なわれたイタリアとの親善試合で、オランダは守備が乱れて開始10分で2失点(結果は0-2)。その後、ユーロ予選・初戦のチェコ戦では5バックを採用したものの、1-2で黒星を喫した。さらに10月のユーロ予選2試合でも、カザフスタン戦で4-3-3に戻したり、アイスランド戦で0-2の完封負けを喫するなど、ますます迷走することに……。かつての名将も代表チームの惨状に対し、「私にもどうしていいかわからない」とこぼす始末となった。

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