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32年ぶりのユーロ予選敗退。オランダが弱くなった「真の原因」 (5ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru  photo by AFLO

 2014年のW杯後、ファン・ハールの後継者を決める人事で、オランダ国民は各国クラブでの指導歴の長いロナルド・クーマンを推し、本人もその気になっていた。ところがKNVBは、「ヒディンク→ブリント」のレールを独断で敷いた。こうしたフィロソフィーの感じられないKNVBの代表監督人事に、オランダ国民だけでなく、プロサッカー指導者組合は怒りをあらわにしている。

 今回のユーロ予選を見れば、オランダは勝って当たり前のグループだった。それでもオランダは、4勝1分5敗で勝ち点13しか挙げられなかった。チームを率いたヒディンクとブリントの両監督の責任は重いだろう。しかし、代表チームの戦いは、その国のサッカー界のすべてが詰まっている。敗戦の責任は、代表監督の人事をつかさどるKNVBにも向けられなければならないはずだ。

 来年、フランスで行なわれる「ユーロ2016」に、オランダの姿はない。そのことに寂しさを感じつつも、これからのインターナショナルマッチウィークは、多くのことを試すチャンスでもある。W杯とユーロの繰り返しに疲弊したオランダには、ようやく根本から立て直すための時間が与えられたのだ。

 だが、同時にそれは、決して簡単なことではない――。

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