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ベンチスタートではっきり見えた岡崎慎司の「献身性」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 試合の流れを変えたい。ラニエリ監督もそう感じたのだろう。ハーフタイムに入ると、岡崎はフィジカルコーチと1対1で強めのアップを開始。ベンチに置いてあった背番号20のユニホームを掴み、後半頭からピッチに立った。

 ここから、ようやく3戦無敗中のレスターが本来の姿を取り戻した。4-4-2の2トップの一角、セカンド・ストライカーの位置に入った岡崎は、全速力でパスコースを切りながら敵に寄せていく。パスコースが限定されたことで、中盤の守備は引き締まり、試合の流れも圧力で上回るレスターへと傾いていった。その証拠に、前半は腕を左右に動かし、何度もプレスの指示を送っていたラニエリも、後半に入るとその腕を振ることがほとんどなくなっていた。

 その岡崎の献身性が得点に結びついたのが85分。自陣で猛チャージをかけてボールを奪取すると、ショートカウンターにつなげ、前線を抜けたFWジェイミー・バーディーがPKを獲得。土壇場で同点に追いついた。

 前半は完全に孤立していたバーディーも、岡崎と良い距離感を保つことでポストプレー、ワンツーとプレーの幅が一気に広がった。守備ではアグレッシブなプレスで活力を与え、攻撃では前線と中盤をつなぐ潤滑油として機能することで、岡崎は勝ち点1の獲得に貢献したのである。彼は言う。

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