ベンチスタートではっきり見えた岡崎慎司の「献身性」

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

「レスターみたいなチームは、あまり勘違いしちゃいけないと感じました。もちろん、(好スタートを切って)勘違いしているということではなく、やっぱりチームとして自分たちのやれることをやらないと。相手は自信を持ってパスを回していた。でも、レスターは自分たちの癖で引いてしまう。がっつり相手にハメ込んでいったほうが、ボーンマスのようなチームなら焦ってボールを蹴るんじゃないか。そう思っていた」

積極的にボールを追いかけて同点ゴールに貢献した岡崎慎司積極的にボールを追いかけて同点ゴールに貢献した岡崎慎司 レスター移籍後、公式戦で初めて先発から外れた岡崎慎司は、ベンチで戦況を見つめながらそう分析していたという。

 岡崎の見解どおり、前半のレスターは大いに苦戦した。チームを率いるクラウディオ・ラニエリ監督は前節のトッテナム・ホットスパー戦での先発メンバーから日本代表FWを外し、代わりに攻撃的MFのエンゴロ・カンテを起用。「勝っているチームはいじらない」との格言があるように、「乗っているチームはいじらない」(※3戦無敗)のが鉄則であるように思えたが、ラニエリ監督は人選と布陣を変えてきた。だが、中盤を厚くした4-1-4-1でボールを支配しようとする指揮官のもくろみは、もろくも崩れ去った。

 対戦相手のボーンマスは、前線から積極的にプレスを仕掛けてきた。ボールホルダーに激しく寄せ、いったん奪えばサイドの味方を走らせる縦パスでチャンスを作る。するとレスターは、彼らの圧力に押されるようにして劣勢にまわり、良いところのないまま0-1で試合を折り返した。レスターのやりたいことを相手にやられてしまった──。そんな前半だった。

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