ドルトムント連勝。香川真司がいまフル出場にこだわる理由

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 2015~16シーズンが始まり1ヵ月弱。ブンデスリーガはインターナショナルマッチウィークのため、いったんブレイクに入った。ドルトムントはここまで公式戦8戦8勝。新指揮官トーマス・トゥヘルのもと、着実に前進しており、文句なしの序盤戦となった。

 香川真司はドイツ杯1試合に欠場、ヨーロッパリーグ(EL)予選3回戦の第1戦が途中出場だったことを除けばすべての試合に先発。ポジションを争うと見られていたケビン・カンプルがレバークーゼンへ移籍し、香川への信頼の厚さは明らかだ。

ヘルタ戦に先発フル出場、先制ゴールをアシストした香川真司ヘルタ戦に先発フル出場、先制ゴールをアシストした香川真司 今季のドルトムントを支えているのは圧倒的な得点力だろう。7得点したELプレーオフなどは、まだ予選の段階で相手との力の差を考慮しなくてはならないが、ブンデスでも3試合で11得点を記録している。香川はここまで1得点2アシスト。大きなチャンスを外したりもしているが、3-1で勝利した8月30日のヘルタ・ベルリン戦でも先制点をアシスト。2点目、3点目の起点にもなった。

 決して楽な試合だったわけではなかった。この日は「今年最後の夏日」と言われ、気温30度を超える快晴。レフェリーが試合をストップし、給水タイムを設けるほどの暑さだった。しかもドルトムントは3日前にはELプレーオフを戦っている。人数をかけて引いて守り、1トップに据えた原口元気へのロングボール一発でチャンスを狙うヘルタを攻めあぐねた。

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